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当館は平成11年11月11日に全館新築、グランドオープンいたしました。
11時11分11秒にテープカットを行い、新たな歴史がスタートしました。
全て1並びの目出度い瞬間です。

それから丸10年。昨日はオープン10周年記念日でございました。

これに先立ち、11月2日に全社員の皆さまと10年を祝い、スタッフの勤続表彰を行いました。

社員の皆さまあっての旅館でございます。お客様の前にでるスタッフ、裏方で支えるスタッフ。それぞれが日々大変な努力で仕事に励んで頂いておることがお客様のご満足につながります。お客様にご満足頂いてこそ、旅館はあるということを全員で確認いたしました。

そして昨日、全館を新築するに当たり多大なご協力を頂いたごく少数の方と10年を祝いました。98年99年当時は「貸し渋り」という言葉が流行するほど大変な時代でしたが、苦労を顧みずに支援してくださった方々は忘れることができません。

91〜07年のわずか17年間、この旅館業界は市場規模が−46.5%、なんと半分に減ってしまいました(レジャー白書)。

市場が減った原因として、法人旅行需要減、海外旅行にシフトしたということが、いつも言い訳のように挙げられます。しかし、こういった外的要因だけが衰退の原因ではなく、そもそもお客様の求める声やスタイルの変化に、旅館側が適応してないのが原因ではないでしょうか。お客様の声に耳を傾けて、よくよくお客様とのミスマッチを解いていかなければ、旅館の市場規模は減っていく一方でしょう。

例を挙げればお料理。

旅館側はあまり料理のお献立内容をお客様に公開しません。「調理長おまかせの10品の旬の和会席」といってぼかすのが当たり前となってしまっています。部屋やお風呂、全景の写真はHPで得意気に掲載してはいます。なぜお献立が出せないのでしょうか?

団体旅行全盛時代、同じコース料理を全員に出していた時代。お客様一人ひとりの希望を全く斟酌せず出していた名残なのか・・・。

あらためて言うまでも無く、お客様の一番楽しみにしているのはお料理です。「何が出てくるのか分からないが10品」というのはミスマッチの最たるものではないかと愚考します。

「適者生存」は世の理。よくお客様の声に耳を傾け、ご要望にお応えし、改善を重ねていくことが私たち旅館の一番大切にしなければならないことだと痛感します。

マーケティング用語に市場に向けた企業の発想方法に、企業側の都合を優先する「プロダクトアウト」の発想と、市場(顧客)の求めるものを優先する「マーケットイン」の発想があります。

旅館サービス業はマーケットインは当然ながら、これを一層推し進め、顧客1人ひとりが望む商品やサービス内容に応じて、これに沿ったものを提供していくという「カスタマーイン」でなくてはいけません。

お客様の声をゆめにもおろそかにすることなく、これからもご満足いただける宿として、お選びいただける宿としてスタッフ一同励んでまいりたいと存じます。

松月の歩み
http://www.shogetsu.co.jp/customer/ayumi.html